アセス

- コラム -COLUMN

健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
歯の健康に関するコラム記事を
ご紹介しています。

2024/10/15

歯周病はうつる?
子どもの歯の健康を守る新しい常識

歯周病はうつる?子どもの歯の健康を守る新しい常識

歯は一生ものであり、小さな子どもがいる家庭では歯の健康を気遣っている人も多いでしょう。歯磨きや甘いものの食べすぎに気を付ける以外にも、食具を共有しないようにしている家庭もあるかと思います。

今回は、親ができる子どものむし歯・歯周病対策についてのアンケート結果をもとに、子どもの歯の健康を守るための対策についてご紹介します。近年、対策が見直された新しい内容もあるため、ぜひ参考にしてください。

子どものむし歯・歯周病予防のために
食具を共有しない家庭は54%!

子どものむし歯・歯周病予防のために食具を共有しない家庭は54%!

■ 調査地域:全国
■ 調査対象:
【性別】男女【年齢】25歳以上50歳以下【子ども】あり
■ 調査日:2023年10月3日
■ 有効回答数:100サンプル

子どもをもつ25~50歳までの男女に、子どもへの歯の健康対策に関するアンケートをとりました。その結果、食事の際に箸・お皿・コップなど食具の共有をしないように対策をしている人は54%でした。

この結果から、「唾液を介してむし歯菌や歯周病菌がうつる」と半数以上の人が知り、対策を講じていることになります。また、対策をとっていない家庭の中には、うつることを知っていても忙しくて出来ない家庭もあるでしょう。すなわち、実際に対策は取っていなくても、むし歯・歯周病菌が唾液を介してうつることを知っている人はアンケート結果の数字以上に多いことが予測できます。

新常識!
離乳食開始前に菌はうつっている

これまで、食具を共有しないことが子どもの歯の健康を守るために大切だと考えられてきました。アンケート結果でも、半数以上の家庭でこの対策がとられています。しかし最近の研究で、この対策は科学的根拠が強いものではないと発表されました。なぜなら、ほとんどのケースで離乳食開始前の生後4か月には、親から子どもに口腔細菌が感染していることが分かったためです。つまり、食具を共有する以前に、すでにむし歯菌や歯周病菌が子どもにうつっているのです。

これは、親子間の日常的なスキンシップにより起こることですが、菌がうつるからと気にしすぎる必要はありません。食具の共有に気を付けていてもいなくても、子どものむし歯に差はないことが分かっているためです。また、親の唾液に接触することで、子どものアレルギーを予防する可能性があるというメリットも報告されています。

大切なのは
子ども歯を守るための生活習慣

新常識として、食具の共有はむし歯・歯周病予防に強い根拠がないと分かった今、どのような対策をとればよいのでしょうか?大切なのは、口腔環境を清潔に保つための以下のような生活習慣です。

・ 砂糖の取り過ぎに注意する
・ だらだら食いをしない
・ 親が仕上げみがきを行う
・ フロスやマウスウォッシュを歯ブラシと併用する
・ フッ素入りの歯磨き粉を使う
・ 歯医者でフッ素塗布を行う

親から子どもにむし歯菌や歯周病菌がうつっても、お口の中をきれいにしていれば発症するリスクは低くなります。家族みんなで口腔環境を清潔に保ち、子どもの歯の健康を守っていきましょう。

参考
一般社団法人日本口腔衛生学会|乳幼児期における親との食器共有について