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健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
歯の健康に関するコラム記事を
ご紹介しています。
2022/07/28
あなたの歯ぐきは何色?
3つのケアで健康的な歯ぐきを手に入れる
突然ですが、あなたの歯ぐきは何色ですか?普段から虫歯にならないよう気をつけていても、歯ぐきの状態まで意識している人は少ないかもしれません。でもじつは、歯ぐきの色や状態で、お口の中の健康度合いがわかるのです。今回は、歯ぐきの役割とケア方法についてご紹介します。
理想的な歯ぐきの色は「薄いピンク」
歯ぐきは、医学用語で歯肉(しにく)と言います。歯の根本を覆っており、歯と歯ぐきがしっかり密着することで、体内に細菌が侵入するのを防いでいるのです。また、食べ物を噛んだときにかかる力を和らげて、歯の組織を守る働きもあり、私たちの体にとって大切な役割を果たしています。
もっとも理想的な歯ぐきは、歯と歯ぐきの間に隙間がなく、キュッと引き締まっていて、薄いピンク色をしている状態。指先で触ると少し硬く感じるくらいの弾力で、歯と歯の間が尖ったきれいな三角形をしていれば、それはまさに健康な歯ぐきの証です。
さらには、スティップリングと呼ばれる、みかんの表面にあるようなプツプツしたくぼみが確認できることも、健康的な歯ぐきのバロメーター。これは歯ぐきのコラーゲン線維が表面を引っ張っているため見えるもの、ハリがある証拠です。逆に言うと、スティップリングが見えなくなってくると、歯ぐきが炎症を起こしている可能性があると言えます。
色・柔らかさ・出血…
こんな歯ぐきは要注意!
では、歯ぐきがどのような状態になると、危険信号だと言えるのでしょうか。
・赤紫や赤黒い色をしている
まず注意したいのは、歯ぐきの色。紫がかった赤色や黒ずんだ赤色は、歯周病のサインのひとつです。喫煙習慣や、差し歯の金属などが原因で歯ぐきの色が悪くなる場合もありますが、腫れをともなっている場合は歯周病によるものだと考えられます。
・触るとブヨブヨで緩んでいる
ブヨブヨした歯ぐきは、腫れている状態だということ。一箇所だけならまだ初期段階ですが、広い範囲でブヨブヨと緩んでいる場合は、歯周病が進行している状態だと言えます。放置するとさらに症状が悪化し、最悪の場合は歯が抜け落ちてしまうことにも。
・わずかな刺激でも出血する
ブラッシングやフロスを使ったときなどに出血するのは、歯ぐきが弱っているサイン。歯と歯ぐきの間に歯垢(プラーク)がたまり、歯垢に含まれる細菌によって腫れてしまった状態なので、少しの刺激で出血してしまうのです。強くブラッシングしすぎて出血するケースもありますが、軽い力で歯磨きをしているのに出血する、フロスを通すと血がつくといった場合は、歯周病を疑ったほうがいいでしょう。
いずれの場合も、特に痛みを感じないことがほとんど。そのままにしていると、症状はどんどん悪化していきます。あれ?と思ったら、早めに歯科医院に診てもらいましょう。
健康的な歯ぐきをつくる3つのケア
目指すは、ピンク色で引き締まった歯ぐき。そのためには、次の3つのケアが欠かせません。
1.毎日の歯磨き
歯ぐきの健康にかかわらず、毎日の歯磨きはお口ケアの基本。歯と歯ぐきの間、歯と歯の間に食べかすが残らないよう、丁寧にブラッシングしましょう。強く磨く必要はなく、軽い力でOK。また、ブラッシングだけでは取り切れない歯垢もあるので、1日1回程度フロスを使って除去することがおすすめです。
なんだか歯ぐきの状態が悪いなと感じるときは、抗炎症作用のあるものや研磨剤を配合していない市販の歯周病薬を上手に利用すると良いでしょう。その場合は、歯ぐきをマッサージするようにやさしく磨くのがコツです。
2.食事内容の見直し
食べた後のケアはもちろんですが、食べる内容も歯ぐきの健康に関係があります。たとえば、噛みごたえのある食べ物を意識的に選ぶこと。よく噛むことで唾液の分泌が促され、口の中の細菌を洗い流してくれます。また、慢性的に唾液の量が少なめの人は、水分不足であるケースもあるので、よく噛むことと同時に、しっかり水分補給することも大切です。
3.生活習慣の改善
「歯周病は生活習慣病の一種」と言われることもあるくらい、毎日の生活習慣と深い関わりがあります。
先に紹介した歯磨きや食事内容に加えて、睡眠も重要な歯ぐきケアのひとつ。私たちは寝ている間に、体内に侵入しようとする細菌を排除したり、心身ともに疲労回復をはかったりしています。そのため、睡眠不足が続くと免疫力が低下し、歯周病菌に感染・増殖しやすくなるのです。
私たちの健康に欠かせない歯ぐき。毎日、鏡で口の中をチェックしながら、歯と同じくらい歯ぐきも大切にケアしてくださいね。