- コラム -COLUMN
健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
歯の健康に関するコラム記事を
ご紹介しています。
2023/12/22
歯周病は口だけの問題ではない!
全身疾患のリスクを上げる理由とは?
30代以上の約3人に2人が罹患しているといわれるほど身近な「歯周病」ですが、この歯周病、お口の中だけの問題だと思ってはいませんか?まだまだ知らない人も多いようですが、歯周病は歯や歯ぐきへの影響以外に、全身疾患のリスクを上げることが分かっています。
「歯周病が全身に影響を与えるなんて大げさな…」と思ったあなた。歯の健康をおろそかにして後悔する前に、本記事を読んで健康のために行動してみませんか?
歯周病を放置すると
他の病気になるリスクが上がる
歯周病とは、歯垢(プラーク)や歯石が原因で歯ぐきが炎症を起こす病気です。悪化すれば、歯ぐきに膿がたまり、歯を支える骨が溶けて歯を失ってしまうこともあります。歯垢1mgのなかには、約300種類1億個もの細菌が存在しています。想像しただけでも恐ろしいですね。
歯周病により発生する毒性物質が歯ぐきの血管から全身をめぐり、様々な病気の引き金になったり悪化したりします。また、誤嚥により歯周病菌が気管支から肺に移動すると、誤嚥性肺炎を引き起こし、最悪の場合死に至ります。その他、歯周病が影響する全身疾患には以下のようなものがあります。
【歯周病により発症・悪化する疾患】
・ 狭心症・心筋梗塞
・ 脳梗塞
・ 糖尿病
・ アルツハイマー
・ 骨粗しょう症
・ 誤嚥性肺炎
・ メタボリックシンドローム など
誰もが耳にしたことのある病気ばかりです。また、命に直結するような疾患も多く「たかが歯周病」と軽視できないことが分かるでしょう。
妊娠中の女性は
特に歯周病への注意が必要!
歯周病の影響に特に注意が必要と言っても過言ではないのが、妊娠中の女性です。妊娠している女性が歯周病に罹患していると、早産の危険や低出生体重児のリスクが高くなることが分かっています。お腹の中での発達が不十分なまま、早産になってしまうと、後遺症が残る危険や最悪の場合は死に至る可能性があります。
歯周病に罹患した妊婦が早産・低出生体重児になるリスクは、タバコやアルコール・高齢出産などよりはるかに高く、健康な妊婦と比べてその危険率はおおよそ7倍です。妊娠すると、女性ホルモンの影響により歯周病にかかりやすくなります。多くの自治体が、妊娠中に無料で歯科検診が受けられるなどの取り組みを行っているため、お口のトラブルを起こしやすい妊娠中は、つわりが落ち着いたら歯科検診を受けるなどして特にお口の中の健康には注意しておきましょう。
歯周病の治療は自分でできる?
歯周病の自覚症状には、口臭・歯ぐきの腫れや出血・歯のぐらつき・口の中の粘つきなどがあります。しかし、このような自覚症状が出ている場合、すでに歯周病は進行していると考えた方がよいでしょう。歯ぐきの炎症が軽度であれば、数日で落ち着くこともありますが、また繰り返す可能性は高いです。セルフケアで歯周病が治癒することも、ゼロではありませんが可能性は低いでしょう。症状があれば早めに歯科受診し、自分の口の中の状況を知り、歯周病の原因である歯垢・歯石を除去してもらいましょう。
歯周病の治療をしたあとも、定期的な歯科受診やセルフケアの徹底は歯周病予防には大切です。セルフケアを見直して、フロスやマウスウォッシュを導入するのもよいでしょう。口の中だけではなく、全身の健康や元気な赤ちゃんを出産するためにも、歯周病への向き合い方を考えてみてください。