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健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
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2024/08/15

歯周病が口以外に与える影響!
全身疾患との関係を知っていますか?

歯周病が口以外に与える影響!全身疾患との関係を知っていますか?

お口のトラブルと聞いて、真っ先に頭に浮かぶ病気の一つが「歯周病」ではないでしょうか?日常でも耳にすることの多い歯周病ですが、その詳細は意外と知られていません。そのため、歯周病は口の中だけの問題で、大した病気ではないと考えている人も多いでしょう。

しかし近年、歯周病が口だけではなく全身の病気にも大きく関係していることが分かり、予防に力を入れる動きが出ています。今回は、歯周病と全身疾患の関係について行ったアンケートをもとに、その結果と全身疾患の関係性について詳しく解説します。

歯周病菌が全身疾患のリスクになる!
知っているのは58%!

歯周病菌が全身疾患のリスクになる!知っているのは58%!

■ 調査地域:全国
■ 調査対象:
【性別】男女【年齢】30歳以上60歳以下
■ 調査日:2023年10月3日
■ 有効回答数:100サンプル

30~60歳までの男女に、歯周病が全身疾患の引き金になることを知っているかアンケートをとりました。結果は、全体の半数を超える58%が「知っている」という結果になっています。近年、健康意識が高まってきている影響もあってか、約6割の人が歯周病と全身疾患の関係について知っていました。

各自治体でも、歯の健康を守るためにさまざまな取り組みがなされており、歯科受診の促進のために無料、または安い値段で検診が受けられる場合もあります。このアンケート結果は、健康意識の高まりだけではなく、そのような取り組みの効果も反映されているのかもしれません。

歯周病が引き起こす全身疾患

具体的に、歯周病が引き起こす全身疾患にはどのようなものがあるのでしょうか?以下がその病気の一例です。

【歯周病が引き起こす全身疾患】

・ 心筋梗塞
・ 脳梗塞
・ 糖尿病
・ 誤嚥性肺炎
・ 骨粗しょう症
・ 早産や低出生体重児 など

なぜ口の病気が、命に関わるような大きな病気を引き起こすのでしょうか?それは、歯周病の原因でもある「菌」と、菌が生み出す「毒素」のせいです。

歯周病菌による刺激で、動脈硬化を起こしやすくする物質が出ることにより、血管内にプラークと呼ばれる沈着物ができやすくなります。すると、血液の通り道が狭くなり、狭心症を起こす可能性があります。また、プラークが剥がれるとそこに血の塊ができて、血管が詰まることもあります。これが、心臓で起これば心筋梗塞、脳で起これば脳梗塞となるのです。

また、歯周病が引き起こす炎症によって、毒性物質が生み出されます。その毒素が歯ぐきの血管から全身をめぐり、病気の引き金や悪化の原因となるのです。なかでも、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせて糖尿病の発症や悪化につながることがよく知られています。しかし、適切な歯周病治療を行えば糖尿病も改善することが分かっています。

つまり、歯周病予防が全身疾患を防ぎ、歯周病治療が病気の改善に役立つのです。

健康でQOLの高い生活のためにも
口腔ケアが大切

QOLとはクオリティ・オブ・ライフの略で「生活の質」を指します。歯周病は歯を失う一番の原因でもあるため、食事を楽しむ機会が奪われたり、食べる量が減り栄養不足になったりすることから、歯周病はQOLを下げるとされてきました。

しかし、お口の問題だけではありません。歯周病で糖尿病を患えば、通院・入院の時間やお金が必要となり食事も大幅に制限されます。また、心筋梗塞や脳梗塞の場合、後遺症や最悪の場合は死に至る可能性もあります。いつまでも健康で好きなことを楽しむためにも、歯周病の予防・治療はとても大切です。元気でQOLの高い生活を送るためにも、今まで以上に口腔ケアに力を入れてみませんか?