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健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
歯の健康に関するコラム記事を
ご紹介しています。
2024/05/15
歯周病を自分で治すことはできる?
治療のための正しい対処方法とは
歯ぐきの炎症を起こして毒素を発生させ、歯ぐきだけでなく歯を支える骨にもダメージを与えるのが「歯周病」です。40代の約半数は歯周病であるとされており、気が付かないうちに罹患している人も珍しくはありません。下記のような症状がある場合は、歯周病と考え治療を行った方がよいでしょう。
【歯周病の自覚症状】
・ 歯ぐきが赤く腫れている
・ 歯磨きすると歯ぐきから出血する
・ 口臭や口の中のねばつきが気になる
・ 歯がぐらつく
・ 歯ぐきが下がってきた など
近年ドラッグストアなどでも、多くの歯周病対策に特化したケア商品が販売されていますが、このような商品をつかえば自分でも歯周病治療ができるのでしょうか?今回は、歯周病は自分で治療できるのかや正しい対処方法について解説します。
歯周病の治療は歯科受診が基本!
その理由は?
歯周病の治療は自分でもできるのか?その答えは残念ながら「No」です。
なぜなら、歯周病の原因は歯に付着した歯垢(プラーク)や歯石であり、これを自宅での口腔ケアで完全に取り除くことはできないからです。特に歯垢が固まり歯石になると、ブラッシングでは取り除くことができません。歯医者では歯石除去のために専用器具を使用しますが、自宅で見よう見まねで歯石を取ろうとすると、歯や歯ぐきを傷つける可能性があります。やめておきましょう。
ただし、歯周病治療のために歯科受診したとしても、自宅での日常のセルフケアも大切です。「歯医者にさえ行けば大丈夫」という考えはやめて、ブラッシングやケア用品をしっかりと見直すことが大切です。
セルフケアは歯周病の
予防や悪化を防ぐ役割
自宅での口腔ケアで歯周病の完治は目指せませんが、歯周病のコントロールであれば十分可能です。歯周病予防の基本は、やはり丁寧なブラッシングです。さらにフロスを使用すれば、歯ブラシでは届きにくい場所の歯垢も除去できます。歯磨き後にマウスウォッシュを使うと、殺菌効果により歯周病予防効果もさらに高まるでしょう。
歯医者では口の中での状態チェックとクリーニングを行い、自宅ではそのきれいな状態をできるだけキープしていくことで、歯と歯ぐきの健康を守ることができます。3か月に1回を目途に、歯科受診をするようにしましょう。
歯周病予防のための
口腔ケアの方法は?
具体的には、自宅でどのような口腔ケアを行えばよいのでしょうか?ケア方法のポイントとなるのは、以下のとおりです。
【口腔ケアのポイント】
・ 力は入れずに細かく動かす
歯には凹凸があるため細かく動かすことで歯垢が落ちやすい
また、過度なブラッシングは歯ぐきを痛めるため軽い力で
・ 1か所あたり10~20回程度ブラッシングする
歯垢は粘着性が高いため、落とすためにはブラッシング回数が必要
・ 歯ブラシが届きにくい場所を意識する
歯間・歯と歯ぐきの間・奥歯は毛先が届きにくいため丁寧に意識して
・ フロスや歯間ブラシを併用する
歯ブラシでは届かない場所のケアを補うことができる
・ 寝る前は特に丁寧な口腔ケアを
就寝時は唾液の分泌減少により歯周病菌が増えやすいため、寝る前のケアはより丁寧に
マウスウォッシュの使用も効果的
これらのポイントに加えて、歯磨き粉などのケア用品も歯周病予防に特化したものに見直すのもよいでしょう。歯周病を自分で治すことはできないため、定期的な歯科検診も忘れずに、自身でもケアを行いながら歯の健康を守ることが大切です。