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健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
歯の健康に関するコラム記事を
ご紹介しています。
2023/12/25
知覚過敏が重症化しないためには
歯周病の予防が大切!
「冷たいものや熱いものを口にすると歯がしみる」
「歯を磨くと痛いときがある」
このような経験のある人も多いのではないでしょうか?
これは知覚過敏の症状です。知覚過敏は外からの刺激により感じる一時的な痛みで、通常であれば痛みは短時間で治まります。しかし、重症化すると話は別です。
今回は、知覚過敏が重症化する原因やその症状、予防方法などについてご紹介します。
知覚過敏が重症化する
原因とその症状
知覚過敏で痛みを感じる原因は、象牙質の露出です。健康な歯であれば、象牙質はエナメル質に守られているため痛みを感じることはありません。知覚過敏が重症化し、象牙質がどんどん露出した状態になると、以下のような症状が現れます。
【知覚過敏が重症化すると】
・ 通常2~3秒程度で治まるはずの痛みが長く続く
・ 一瞬の痛みでも痛みの程度が強い
歯がしみるからといって歯磨きをしないと、歯の表面にプラークが付着して歯を溶かし、さらに症状が悪化してしまいます。また、歯ぐきを痛めて象牙質を露出させる原因となるため、誤った方法での過度なブラッシングも良くありません。その他、知覚過敏を悪化・重症化させる原因には以下のようなものがあります。
【知覚過敏を悪化させる原因】
・ 歯ぐきの退縮
・ 歯の亀裂や破折
・ 歯ぎしりや食いしばり
・ 酸性の飲食物の摂取
・ むし歯治療やホワイトニング など
知覚過敏に気が付いたら、放置せずに早めの対応が必要です。
知覚過敏は
歯周病とも関係している
知覚過敏は、歯周病が原因で起こる場合があります。歯周病は、プラークと呼ばれる歯垢や歯石が原因で歯ぐきが炎症を起こす病気です。最悪の場合、歯を失うこともあります。歯周病のある人は、炎症により歯ぐきが下がり痛みを感じる象牙質が露出するため、知覚過敏を起こしやすくなります。
また、知覚過敏の場合、刺激で歯磨きをするのもつらいこともあるでしょう。しかし、歯磨きを怠れば、歯周病および知覚過敏のさらなる悪化に繋がります。残念ながら、日本人の歯周病の罹患率は下がってきてはいるものの依然高い状況で、25~34歳で30%、35~44歳で40%、45~54歳は50%と年齢とともに上がります。
歯磨きをすると歯がしみる・痛いといったつらい状況まで知覚過敏が進んでいるのであれば、我慢せずに歯科受診して自分の歯の状態を知り、治療に臨むようにしましょう。
知覚過敏を
重症化させないために
知覚過敏が重症化した場合、セルフケアでの治療は困難です。大切な歯を失わないためにも、早めに歯科を受診しましょう。歯科医院では、知覚過敏の重症化に対して以下のような治療が行われます。
【知覚過敏の治療方法】
・ 歯の表面に歯科材料を塗布してコーティングする
・ レーザー治療で痛みを伝達する穴(象牙細管)を埋める
・ 歯が欠けている場合はレジンで埋める
・ 歯の神経を抜く
このような治療を行わなくてもよいように、日頃から口腔ケアへの意識を高めることで知覚過敏があっても重症化を防ぐことができます。「このぐらい大丈夫」と放置せずに、定期的に歯科検診を受診したり、口腔ケアグッズを見直したりしましょう。薬局では、知覚過敏用の歯磨き粉なども取り扱っているため、知覚過敏に特化した製品を選択するのもおすすめです。
知覚過敏が重症化すれば、楽しみだった食事や間食時間が苦痛に感じるなど、生活に支障が出てきます。歯の健康だけでなく、自身の楽しみや生活を守るためにも、口腔ケアへの意識を高めて行動にうつしてみてはいかがでしょうか?