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- 歯科医師インタビュー -INTERVIEW

健康な歯と歯ぐきを守るために、
歯科医師からのメッセージを連載しています。

vol.8

歯の美しさを守る鍵は
歯周病予防にあった!

歯ぐきの健康と
審美治療との関係性

日本橋中央通り歯科 伊藤 佳子

歯ぐきの健康と
審美治療との関係性

日本橋中央通り歯科伊藤 佳子

歯周病と歯の美しさはどのように関わっているのでしょうか?今回は、日本橋中央通り歯科室の伊藤 佳子先生にお話を伺いました。歯ぐきの健康を守るために大切なこと、そして審美治療との関係性について深く掘り下げます。
こちらのページでは伊藤先生のインタビューの前半部分をご紹介します。

Q1. 歯を美しく保つことにおいて、
歯周病や予防治療が重要な理由は
何ですか?

歯周組織、いわゆる歯を支える組織や、それらを囲む歯ぐきは、家で例えると土地や地盤、基礎に当たります。どんなに立派で美しい家を脆弱な土地に建てても崩れたり傾いたりしますよね。そういう意味で、歯の美しさと歯ぐきの健康は密接な関係があり常にセットで考えなければなりません。当院で審美治療を希望される患者さんも必要があれば先に歯周病治療を受けていただいています。せっかくお金をかけて美しくしても長持ちしないのでは意味がありません。審美治療を希望される患者さんにはその旨をしっかりお伝えした上で治療しています。

Q2. 歯周病が進行している場合、
ホワイトニングや
歯の矯正などの治療にどのような
影響がありますか?

歯科医院で使用するホワイトニング薬剤は、市販のものに比べて濃度が高く効果的です。ただし、歯ぐきに問題がある場合等は、刺激が強くなることがあります。当然、歯周病もしくは歯ぐきに腫れなどがあれば薬剤の強い刺激でしみるような痛みや不快感が起こることがあり、また薬剤が歯ぐきにダメージを与えてしまうこともあります。そうなると美しくするために治療を行った結果、逆に見た目を悪化させてしまう恐れがあります。そのようなことから審美治療をお考えの方は、歯ぐきを健康に保つことがとても重要ですし、歯周病がある方は歯周病治療を優先させる必要があります。

Q3. 特に審美治療を受ける前に
行うべき歯周病予防の
ケアやチェックポイントについて
教えてください

この記事を読んでいる皆さんの中にも、歯ぐきの腫れや出血を放置している方がいるかもしれません。それは、実は危険信号かも!まずは歯科医院で歯ぐきの状態をチェックしてもらいましょう。歯周ポケットの深さを測定し、炎症や検査時の出血の有無を確認する等の歯周病検査をしてもらいます。ポケットが深い場合や歯ぐきが腫れている場合等、歯周病と診断された場合は治療を行います。歯肉炎など軽度の場合でもプラークの除去やクリーニング等をして経過観察を行います。それに加えて重要なのが日々のセルフケアです。歯科医院で行うプロのケアと、毎日のセルフケアを組み合わせて行い歯周病の原因となるバイオフィルム*¹をしっかりと管理することがポイントです。

ストレスや生活習慣が歯ぐきに与える影響も大きいので全身の健康を保つことも大切です。審美治療を受ける前も後も、定期的なチェックと日々のセルフケアは欠かさず行う必要があります。歯ぐきの色の悪さでお悩みの方もセルフケアと歯周病治療で、ある程度は改善できる可能性がありますので、歯科医師と相談しながら進めると良いと思います。
*1 ここでは歯や歯肉の表面に生じるプラーク(歯垢)を指す。

Q4. 歯周病治療後に審美などの
他の歯科治療を行う場合、
どの程度の期間を空けるべきか、
推奨されるタイミングは
ありますか?

炎症の度合い、年齢、体の抵抗力、組織の再生力など個人差によって異なりますが、軽度の歯肉炎であれば歯ぐきの炎症が治まれば治療後2週間~1ヶ月程度で審美治療は開始できるかと思います。外科的な治療を行った場合や歯ぐきが不安定な状態だと、さらに2~3か月の経過観察を行うこともあります。
目視で歯ぐきそのものに問題がなくても、ストレスや日常生活の乱れ、例えばウイルス性の風邪をひいて体が弱っているなど、全身の状態が歯ぐきに様々な影響を及ぼす可能性があります。予期せぬ問題が発生する可能性があるため、経過観察は慎重に行う必要があります。そういった意味で「待つことも治療の一環」。治療後の経過観察と再評価をしっかりと行い、最適な時期に治療を進めることが大切です。患者様には心身ともに健康に過ごしていただくことが治療の早道かと思います。

歯科医師紹介

日本橋中央通り歯科 勤務医 伊藤 佳子

日本橋中央通り歯科 勤務医伊藤 佳子

  • 日本歯科大学病院にて有床義歯(入れ歯)の専門分野を専攻
  • 緻密な口腔内のメンテナンスであるPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)を得意としている。

1999年3月 日本歯科大学 歯学部 卒業
1999年4月~ 日本歯科大学病院 入局
2018年12月~ 日本橋中央通り歯科室 勤務

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