- 歯科医師インタビュー -INTERVIEW
健康な歯と歯ぐきを守るために、
歯科医師からのメッセージを連載しています。
vol.8
【後編】歯の美しさを守る鍵は
歯周病予防にあった!
歯ぐきの健康と
審美治療との関係性
歯ぐきの健康と
審美治療との関係性
日本橋中央通り歯科伊藤 佳子
歯周病と歯の美しさはどのように関わっているのでしょうか?今回は、日本橋中央通り歯科室の伊藤 佳子先生にお話を伺いました。歯ぐきの健康を守るために大切なこと、そして審美治療との関係性について深く掘り下げます。
こちらのページでは伊藤先生のインタビューの後半部分をご紹介します。
また、インタビューの前半部分は下記ページからご覧ください。
【インタビュー前半:】
https://www.acess.jp/interview/vo8-1.html
Q5. 歯周病予防に効果的で、
なおかつ歯の見た目を良くするような
ケア方法や製品はありますか?
歯ブラシに関しては、正しい磨き方ができればどんな種類のものでも構わないと思います。効率性や、マッサージ効果などを狙うのであれば電動歯ブラシを使うのもよいでしょう。ただ当てるだけでよいのに不用意に動かしたり、当て方が強すぎたりなど、使い方を誤るとオーバーブラッシングとなり歯ぐきを傷つける可能性があります。そうなると歯ぐきが下がる原因ともなるため、必ずかかりつけの歯科医院で使い方を教わってください。オーバーブラッシングを防ぐ圧力センサー付きの電動歯ブラシも選ぶのも良いですね。
歯磨き粉についてはご自身の求める効果が得られるものを、その時々に応じてお使いになればよいと思います。抗菌効果が欲しければバイオフィルムに浸透するIPMP(イソプロピルメチルフェノール)やエッセンシャルオイル、浮遊している細菌にはCPC(塩化セチルピリジウム)、炎症を抑えたいならトラネキサム酸、歯肉の再生効果を狙うならビタミンEなどですね。口に入れるものなので、なるべく自然由来のものが良いのであれば天然ハーブなどを配合し、同じく抗菌や抗炎症、歯ぐきの引き締め効果などを持たせている製品もよいでしょう。自然界には抗炎症、抗ヒスタミン、抗菌、防腐作用、止血作用などの効果がある生薬が多く存在します。
Q6. 歯ぐきの見た目や色に関する
審美治療について、
どのような選択肢があるか
教えてください
歯ぐきの色を明るくするならレーザー治療が主流ではないでしょうか。歯肉移植などの再生治療もありますが、外科的治療になるので余程の状態でないと行いません。歯自体を白くしても、歯ぐきの色が気になる場合は、一度歯科医師に相談することをお勧めします。またレーザー治療以前に、セルフケアつまりブラッシングを丁寧に継続的に行うことで改善されることもあるので、ケアの方法を見直してみるのもいいでしょう。歯ぐきの血行を促進するような効果のあるケア製品もあります。歯磨きの方法はどの歯科医院でも指導してくれますよ。
Q7. 歯ぐきの健康状態を整えることで
審美治療の効果を長持ちさせるための
方法はありますか?
審美治療を受けた後に美しさを長く維持するためには、歯周病の再発を防ぐことがとても重要です。歯周病は予防できる病気なので、日々のケアや生活習慣を少しでも意識するだけで、治療後の健康的な状態を維持することができます。繰り返しになりますが、最も重要なのは日々のセルフケアです。まずはブラッシング、それに加え歯間ブラシやフロスを取り入れるのも効果的です。ブラッシングの際にはご自身の目的に合ったケア製品を取り入れていただくのもよいと思います。好みの味や清涼感が得られればケアへのモチベーションにもなるかもしれませんね。そして定期的な歯科検診を欠かさないこと。歯科医院で行うプロのケアと合わせて行いましょう。
また可能な限りで良いので食事を含めた生活習慣の見直しも出来たら良いですね。ジュースや飴など常に何か食べていると常に口の中が酸性に傾き歯によくありません。 柔らかいものばかり食べる習慣があると歯ぐきが弱り健康を保つのが難しくなります。時間のメリハリをつけて食事をとることはとても大事です。そして噛み応えのあるものをしっかり噛んで食べることで唾液が出ます。質の良い唾液が多く出ると口の中を清潔に保つことができます。栄養も採りすぎず不足しすぎずバランス良く摂取できるとよいですね。歯の健康と体の健康は密接に関わっています。例えば、健康に良いとされるためお酢を飲み過ぎて、歯が解けてしまう酸蝕症になってしまったら本末転倒です。正しい知識を歯科医師や歯科衛生士さんから教えてもらい、負担にならない程度にできることから気をつけてみてください。
Q8.歯周病と審美面のケアを
総合的に行うための、
最新のセルフケア項目や
デバイスについて教えてください
最近では簡単な唾液の検査をしてもらえる歯科医院も増えています。口腔内の菌の傾向を知ることができ“歯周病菌が多い”“むし歯菌が多い”や、「唾液の酸性度(pH)(酸性・アルカリ性のバランス)」、「ヘモグロビン(Hb)量」などを唾液から知ることができます。ご自分の傾向が分かるとケア製品を選ぶ際の参考になるかと思います。自宅でのセルフケアを行いつつ、口腔内に関してお悩みがある方以外にも、現在の口の中の状態を知りたい方、ご自分のセルフケアが正しいかどうか知りたい方、ケア製品が分からない方などぜひ気軽に歯科医院に足を運んでみてください。
歯科医師紹介
日本橋中央通り歯科 勤務医伊藤 佳子
- 日本歯科大学病院にて有床義歯(入れ歯)の専門分野を専攻
- 緻密な口腔内のメンテナンスであるPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)を得意としている。
1999年3月 日本歯科大学 歯学部 卒業
1999年4月~ 日本歯科大学病院 入局
2018年12月~ 日本橋中央通り歯科室 勤務